それはある雨の日の出来事じゃった──。

キングくん
プリンちゃん! ひょ、表紙が……っ!

キングくん
PPかけてる本の表紙が反っちゃってるよ~どうして~?

プリンちゃん
雨……PPのかかった表紙……ウッ!

キングくん
プ、プリンちゃん!? どうしたの??

 

突然苦しみ始めるプリンちゃん。彼女の身に一体何が……?

 

PP加工をした用紙が反る理由

PP加工を施した後に用紙が湿気などで水分を含み膨張すると、PPに引っ張られ反ってしまいます。
オンデマンド印刷に限らず、PP加工をすると多少なりの反りが出る場合がありますが、特にオンデマンド印刷は高温の機械に用紙を通して印刷するため、用紙に含まれる水分が蒸発してしまいます。
そしてPP加工を施した後に空気中の水分を自然に吸収していく段階で用紙が膨張し、結果反りが発生してしまいます。

既にある程度水分を含んでいる用紙よりも乾いた用紙に水分が含まれた際の膨張率の方が大きくなるため印刷の際高温にならないオフセット印刷やデジタルオフセット印刷に比べ、オンデマンド印刷の方が表紙が反りやすくなってしまうことになります。

オンデマンド印刷の特性である熱の影響もあり、PP加工時の反りは完全には避けられないのが現状です。

PP加工をした用紙が反りやすくなる状況とは

水分

上でも説明した通り、紙なので水分を吸収して膨張してしまいます。
この水分とは、水に塗れたりするだけではなく空気中の水分も含まれます。
そのため、湿度が高い場所で対策をせずに放置していると、とんでもなく反ってしまうこともあり得ます。

梅雨や台風シーズンなど、雨の多い時期は相対的に湿度も上昇するため、反りが発生しやすくなります。
また、夏場のイベント会場など、気温・人口密度が高い場所も熱気で湿度が高くなりやすいため、注意が必要です。

 

用紙の厚さ

PPを掛ける用紙の厚さによっても反りやすい・にくいがあります。
一般的に用紙が薄く柔らかくなるほど反りやすく、厚く固くなるほど反りにくくなります。

また、ホログラムPPはクリア・マットPPに比べPPフィルムが厚手のため、収縮率の違いにより反りやすい傾向にあります。

対策をしよう!

プリントキングでは加工から納品までの間、プレス(重し)などの対策を行っております。
納品時も(納品部数により)小分けにしたシュリンク包装をしておりますので、シュリンクを開かずにそのままの状態で保管されていれば大きく反ることはありません。

シュリンクを開いた後は、重しをするなど反り返らないよう対策をしていただくことをおすすめいたします。

 

在庫の保管

湿気やすい場所を避け、重しをしておくなど

 

イベント会場

机上には見本のみ、または少部数のみ並べる(在庫は重しをして保管)、一冊ずつOPP袋に入れておくなど

 

購入した本の保管

湿気やすい場所を避け、本棚に収納する(左右を他の本で押さえてあげる)など

 

表紙が押さえられていない状態で放置すると、どんどん反ってしまう場合があります。
一度反ってしまうと元の状態に戻すことは難しいため、本を綺麗に保つために保管状況には注意しましょう。

★番外★【カスタマイズセット Plus Vivid】で印刷する
【カスタマイズセット Plus Vivid】はオンデマンド印刷ではなくデジタルオフセット印刷のため、通常のカスタマイズセットでPP加工をする場合に比べて、反りが発生しづらくなっています。
全く反らなくなるというわけではないですが、体感としてはかなり反りにくくなっていると感じます。
どうしても気になる場合はPlus Vividで印刷するのも検討してみてくださいね♪

…というわけで

キングくん
なるほど~、湿気には気を付けないといけないんだね

プリンちゃん
PPをかけていなくても、そもそも紙の本は水分が苦手だから
取り扱いには気を付けようね
綺麗に保ちたい本にはしっかりカバーをかけるのもおすすめだよ

キングくん
頑張って作った自分の本も、推し作家さんの本も
できればずっと大事にしたいもんね
しっかり対策して保管するよ!
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